グラビア印刷とは?
仕組みやメリットと
他方式との違いを解説します

グラビア印刷工場で高速稼働する大型グラビア印刷機

グラビア印刷とは、食品パッケージやポリ袋などに広く使われている高精細な印刷方式です。写真のような美しい階調表現が得意で、大量生産に向いていることから、現在でも多くのパッケージ製品に採用されています。

本記事では、グラビア印刷の仕組みやメリット・デメリットを中心に解説します。フレキソ印刷やオフセット印刷は、印刷方式を比較するための参考情報として紹介しています。

環境対応については、印刷業界全体の動向として紹介しています。実際に選べる素材や仕様は製品ごとに異なるため、パッケージ製作時の検討材料としてご確認ください。

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1. グラビア印刷とは?基本的な仕組みと歴史を解説

1-1. グラビア印刷の仕組みと原理を解説

グラビア印刷の凹版シリンダーとインキ転写工程の拡大写真

グラビア印刷の凹版シリンダー

グラビア印刷は、凹版印刷の一種に分類される印刷技術です。版に彫られた微細な窪みにインキを詰め、フィルムや紙などの素材に転写してデザインを表現します。

版の表面には、セルと呼ばれる非常に小さな窪みが無数にあります。この版をインキの入った容器に浸して回転させ、表面に付いた余分なインキを金属製のヘラでかき落とします。

その後、窪みに残ったインキを圧胴と呼ばれるローラーで押し付けます。強い圧力をかけることで、フィルムや紙にインキをしっかり転写します。転写されたインキは、専用の乾燥装置で素早く乾かされます。

多色印刷を行う場合は、この工程を必要な色の数だけ繰り返します。精密な工程を重ねることで、鮮明で美しい印刷物が完成します。高品質な仕上がりを実現するための重要な生産プロセスです。

1-2. グラビア印刷の歴史と名前の由来を解説

グラビアという言葉は、フランス語で彫刻を意味する言葉に由来しています。この技術の原型は十九世紀後半に海外で考案され、当初は写真の複製技術として発展しました。

日本には二十世紀の初頭に導入されたと言われています。高度経済成長期に写真雑誌が普及するにつれて広く知られるようになり、雑誌の巻頭にある写真ページをグラビアページと呼ぶようになりました。

現在では、出版物よりもパッケージや建材などの工業用途が主流です。大量生産に適した特性が現代の産業ニーズに合っており、時代とともに役割を変えながら進化を続けている技術です。

印刷の方式凹版印刷の一種として広く分類されます。
使用する版表面に微細な窪みが彫られた金属製の版を使用します。
インキの供給版をインキに浸して窪みにインキをしっかりと充填します。
インキの転写強い圧力をかけて素材にインキを正確に移します。
乾燥の工程転写後に乾燥装置を使用して素早くインキを乾かします。

2. グラビア印刷のメリットを解説

2-1. 写真のような豊かな階調表現を実現

グラビア印刷による高精細なグラデーション表現の拡大写真

高精細な階調表現

グラビア印刷の大きな魅力は、仕上がりの美しさです。滑らかで鮮やかな色の濃淡を表現しやすく、写真のようなリアルな画像にも向いています。

これは、版に彫られた窪みの深さによってインキの量を細かく調整できるためです。深みのある色彩やグラデーションを再現しやすく、高級感のあるパッケージデザインにも適しています。

商品の魅力を視覚的に伝えたい場面では、細部までこだわった複雑なデザインを忠実に表現できます。この表現力は、グラビア印刷ならではの大きな強みです。

2-2. 版の耐久性が高く大量印刷に最適

グラビア印刷で使用される版は、非常に丈夫です。主に鉄の芯に銅メッキを施した金属で構成されており、硬く耐久性に優れています。

数十万メートル規模の長い印刷でも版が摩耗しにくく、品質の劣化を抑えやすいことが特徴です。一度版を作れば、長期にわたって安定した生産を維持しやすくなります。

そのため、連続して大量の印刷物を製造する場合に適した方式です。全国流通する食品パッケージや日用品包装など、大ロットの生産で高いコストパフォーマンスを発揮します。

2-3. 多種多様な素材への印刷に対応

グラビア印刷は、速乾性の液体インキを使用することが一般的です。そのため、紙だけでなく、さまざまな素材に印刷できます。特にプラスチックフィルムへの印刷を得意としています。

アルミ箔やセロファンなどの素材にも対応しやすく、表面が平滑な素材であればインキが定着しやすい点も特徴です。素材の特性を活かしながら、美しい仕上がりを実現できます。

この汎用性の高さが、多くの産業分野でグラビア印刷が利用される理由です。ポリエチレンなどの包装素材については、ポリエチレン素材の特徴を解説した記事もあわせてご確認ください。

階調表現の豊かさセルの深さでインキ量を調整し美しいグラデーションを表現します。
高い耐久性金属製の版を使用するため長時間の大量印刷に耐えることができます。
生産性の高さ高速での連続印刷が可能であり大ロットの製造に向いています。
対応素材の多様さフィルムやアルミ箔など非吸収性の素材にも印刷できます。
仕上がりの美しさ写真や複雑なデザインを鮮明に再現しやすい方式です。

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3. グラビア印刷のデメリットと注意点を解説

3-1. 製版コストが高く少部数には不向き

グラビア印刷の課題として、初期費用の高さがあります。金属製の版を精密に加工する必要があるため、製版にかかるコストが高くなりやすい方式です。

数百個や数千個といった少量印刷では、製品一つあたりのコストが割高になる場合があります。頻繁にデザインを変更する商品のパッケージにも、慎重な判断が必要です。

地域限定の商品や小ロット製品を製造する場合は、コスト面で負担が大きくなる可能性があります。あらかじめ発注数量や継続生産の見込みを確認することが重要です。

3-2. 有機溶剤による環境負荷は業界全体の課題として考慮

従来のグラビア印刷では、有機溶剤を使用するインキが多く使われてきました。インキを素早く乾燥させるために必要な成分ですが、VOC(揮発性有機化合物)による環境負荷の低減は、印刷業界全体のテーマとなっています。

近年は、法規制や社会的責任の観点から、各メーカーで使用インキの見直しや工程改善など、さまざまな取り組みが進められています。

環境配慮を重視する場合は、バイオマスインキの使用可否や、再生原料・バイオマス配合素材など、インキと素材の両面から確認することが大切です。お見積り・お問合せフォームよりご相談ください。

高額な製版コスト金属の版を製作するための初期費用が大きくかかります。
小ロットへの不適正印刷数量が少ないと単価が高くなりやすい方式です。
納期の長さ版の精密な製作に時間がかかるため、納品までに期間を要する場合があります。
環境への負荷 有機溶剤を使用する場合は、VOC(揮発性有機化合物)への対策が業界全体の課題となります。
設備の規模大掛かりな印刷機や専用の乾燥装置が必要となります。

4. フレキソ印刷とオフセット印刷との違いを比較

以下は印刷方式の違いを理解するための一般的な比較です。当社の別注製品では、主にグラビア印刷に対応しています。

フレキソ印刷(凸版印刷)

フレキソ印刷の比較イメージ

インキの転移量がやや不均一で、
網点が目立ち、ざらつきがあります。

グラビア印刷(凹版印刷)

グラビア印刷の比較イメージ

インキの転移量が均一で、
階調表現が滑らかで高精細です。

比較のポイント

  • フレキソ印刷:版が柔らかく、印刷圧が低いため、網点がやや粗くなる傾向があります。
  • グラビア印刷:版が硬く、印刷圧が高いため、インキの転移が均一で高品質な仕上がりになります。

4-1. フレキソ印刷との違いを解説

フレキソ印刷は、柔らかい版を使用する凸版印刷の一種です。グラビア印刷が金属の凹版を使用する点と大きく異なり、ゴムや樹脂で作られた弾力のある版を用いてインキを転写します。

フレキソ印刷は、水性インキを使用しやすい方式として知られています。グラビア印刷とは得意分野が異なるため、素材・ロット・仕上がりの希望に応じて比較されることがあります。

写真のような細かな表現や、安定した大量印刷を重視する場合は、グラビア印刷が適しています。当社の別注製品では、主にグラビア印刷を中心にご相談いただけます。

4-2. オフセット印刷との違いを解説

オフセット印刷は、水と油の反発作用を利用した印刷方式です。平らな版を使用する平版印刷に分類され、主に紙媒体への印刷に強みがあります。

書籍やポスター、チラシなどの商業印刷で広く使われています。グラビア印刷がフィルムなどの印刷を得意とするのに対し、オフセット印刷は非吸収性の素材への印刷には向かない場合があります。

印刷方式は、素材・ロット・表現したいデザインによって選ぶことが大切です。当社では、別注製品において主にグラビア印刷での製作をご相談いただけます。オリジナル袋やショッピングバッグの製作をご検討の場合は、オリジナルショッピングバッグ製作ページもご覧ください。

印刷方式特徴向いている用途
グラビア印刷高精細な表現に強く、大量生産に向いています。食品パッケージ・ポリ袋・フィルム包装
フレキソ印刷水性インキを使いやすく、比較的コストを抑えやすい方式です。段ボール・簡易包装・中ロット包装
オフセット印刷紙への高精細印刷に向いています。チラシ・冊子・ポスター・紙媒体

5. グラビア印刷の主な用途を解説

5-1. 食品や日用品のパッケージに活用

グラビア印刷で製作された食品パッケージや詰め替えパウチの実例

食品パッケージの印刷事例

私たちの日常生活の中で、グラビア印刷を目にする機会が多いのは、軟包装と呼ばれる柔軟なパッケージの分野です。スナック菓子の袋やレトルト食品のパウチなどが代表例です。

シャンプーの詰め替え容器などにも広く採用されています。スーパーやコンビニに並ぶ多くの商品で使われており、商品の顔となるパッケージにおいて重要な役割を果たします。

シズル感のある写真やブランドカラーを再現しやすく、食品を保護するための特殊なフィルムにも活用されています。食品パッケージ用途については、仕様や用途に応じて協力工場と連携した製造対応を行っています。

5-2. 建材やインテリアの装飾に活用

グラビア印刷による木目調建材シートとインテリア素材

木目調建材シートの事例

グラビア印刷は、建築材料の分野にも深く関わっています。住宅や店舗のインテリア空間を彩るため、フローリングの床材や壁紙などの製造にも使われています。

システムキッチンの扉の表面シートなどにも採用され、木目や石目の模様を美しく印刷できます。天然素材のような高い再現性を表現しやすいことが特徴です。

グラビア印刷の豊かな階調表現により、細かな質感や奥行きのある柄を再現できます。耐久性のあるインキを使うことで、長期間美しさを保ちやすい点も評価されています。

食品パッケージスナック菓子の袋や冷凍食品の包装などに使われます。
飲料のラベルペットボトルの周囲に巻かれるフィルムラベルに印刷されます。
日用品の包装洗剤やシャンプーの詰め替え用パウチに広く活用されます。
建築用の資材木目調の壁紙やフローリングの表面装飾シートに用いられます。
産業用の資材電子部品のフィルムや特殊な工業用コーティングに応用されます。

オリジナル袋や包装資材の形状を確認したい方は、オリジナル袋・パッケージ製作一覧をご覧ください。

6. グラビア印刷における環境対応の最新動向を解説

6-1. 水性インキ技術の動向を解説

水性インキを使用した環境配慮型グラビア印刷工場

水性インキ技術の動向

環境負荷の低減を目指して、印刷業界全体でさまざまな取り組みが進んでいます。その一つが、水性インキ技術の研究・導入検討です。有機溶剤の使用量を抑える手段として注目されています。

ただし、水性インキは品質維持・乾燥性・生産速度・設備面での課題もあり、すべての製品や工場ですぐに切り替えられるものではありません。用途や仕様に応じた慎重な判断が必要です。

持続可能な社会の実現に向けて、環境配慮型パッケージへの関心は高まっています。バイオマス配合素材や再生原料を使用した仕様など、素材面での工夫も重要な選択肢です。

6-2. VOC削減に向けた業界の取り組みを解説

グラビア印刷工場の溶剤回収装置と環境対応設備

VOC削減に向けた設備例

現在でも、有機溶剤を使用するインキが多く利用されているのが実情です。そのため、グラビア印刷業界ではVOC削減に向けた設備導入や工程改善など、環境負荷低減への取り組みが進められています。

溶剤回収装置は、印刷工程で揮発する溶剤成分を捕集し、大気中に放出される前に処理するための設備です。業界内では、回収した溶剤を再利用する仕組みを構築している工場もあります。

高い印刷品質を維持しながら環境負荷を抑えるには、インキ・設備・工程管理を総合的に見直す必要があります。印刷品質と環境配慮を両立する生産体制づくりは、今後も重要なテーマです。

水性インキの導入有機溶剤を削減し、環境負荷を抑えるために検討される取り組みです。
バイオマスインキの使用植物由来の原料を用いたインキを採用し、持続可能性を高めます。
溶剤回収装置の設置揮発した溶剤を大気放出前に回収し、無害化または再利用するための設備例です。
省エネルギー化の推進乾燥装置の効率化を図り、製造時の消費電力を削減します。
廃棄物の削減印刷工程で発生するロスを減らし、資源を有効に活用します。

7. グラビア印刷の活用事例を解説

7-1. 企業における環境配慮型パッケージの導入事例を解説

パッケージデザインについて打ち合わせを行う商談風景

パッケージ製作の商談風景

持続可能な社会への貢献として、印刷業界では環境負荷を抑える取り組みが進んでいます。グラビア印刷を用いたパッケージでも、素材や仕様の見直しにより、環境配慮型の提案が求められる機会が増えています。

たとえば、植物由来成分を含むバイオマスインキ・バイオマス配合素材や再生原料を使用した包装資材は、環境配慮型パッケージの選択肢の一つです。用途・強度・印刷内容に応じて、適した素材を選ぶことが重要です。

一方で、水性インキや溶剤回収装置などの対応可否は、印刷会社や工場設備によって異なります。実際に対応できる仕様は、ロット・素材・印刷条件とあわせて確認することが大切です。

引用元:全国グラビア協同組合連合会

引用文章:「近年、グラビア印刷業界では環境負荷低減のため、以下の取り組みが進んでいます。水性グラビア印刷:有機溶剤(VOC)を削減するため、インキを水性化する技術の導入。」

導入の目的有機溶剤の排出を抑え、地球環境の保全に貢献することです。
実施の内容バイオマス配合素材や再生原料の活用など、素材面から環境配慮型仕様を検討します。
期待される効果石油由来原料の使用量削減や、環境配慮を重視する企業姿勢の訴求につながる可能性があります。
品質への影響技術改良により、品質を維持しながら環境負荷を抑える取り組みが進んでいます。
社会への貢献持続可能な開発目標の達成に向けた企業姿勢を示すことにつながります。

グラビア印刷に関するよくある質問

グラビア印刷について、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
印刷方式の違いや、ポリ袋・包装資材の仕様選びの参考としてご活用ください。

Q1. グラビア印刷は何に使われますか?

食品パッケージ、詰め替えパウチ、ポリ袋、ラベルなど、大量生産される包装資材に広く使用されています。

Q2. グラビア印刷とフレキソ印刷の違いは何ですか?

グラビア印刷は高精細な表現に向き、フレキソ印刷は用途によってコストや環境配慮を重視する場合に比較されます。当社の別注製品では、主にグラビア印刷を中心にご相談いただけます。

Q3. グラビア印刷のメリットは何ですか?

写真のような階調表現、鮮やかな色再現、大量印刷時の安定性が主なメリットです。

Q4. グラビア印刷のデメリットは何ですか?

金属版を製作するため初期費用が高く、小ロットでは割高になりやすい点です。

Q5. 小ロットでも対応できますか?

仕様やサイズによって異なりますが、ポリ袋製品は1,000枚程度からご相談可能です。用途・サイズ・数量を確認したうえで、適した仕様をご提案します。

Q6. ポリ袋にも印刷できますか?

はい。ポリ袋やショッピングバッグ、フィルム包装などでグラビア印刷は活用されています。用途・形状・ロットに応じて、適した仕様をご提案します。

Q7. バイオマスインキなど環境配慮型インキについて相談できますか?

植物由来成分を含むバイオマスインキなど、印刷インキの面から環境配慮を検討できる場合があります。製品仕様・ロット・素材・印刷内容により対応可否が異なるため、具体的な条件に合わせて確認いたします。

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ポリ袋・ショッパー・包装資材の用途に合わせて、グラビア印刷を中心に仕様選定からご相談いただけます。

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